COLUMN
2025.04.01
vol.593「エディトリアルデザイン」
伊藤 貴生(CS課企画)

ここ数年、ウェブデザインで縦書きの文字を色ベタの四角で囲むデザインをよく目にしませんか?キャッチコピーを画像の上に載せる時にもよく見られるので、視認性が良くなるためのデザインの流行りかなと思っていたのですが、調べるとどうやら紙の印刷物のような雰囲気を演出するために取り入れられているらしいことがわかりました。
「エディトリアルデザイン」という言葉をご存知でしょうか。
エディトリアルデザイン(editorial design)とは、主に雑誌や書籍、新聞などの紙媒体におけるレイアウト設計を指します。その特徴として、グリッドシステムを活用した構成、適切な余白の配置、美しい文字組みなどが挙げられます。
一方、ウェブデザインはデジタル特有の柔軟性やインタラクティブ性を活かした構造が求められてきました。しかし、近年ではこの二つの領域が融合し、より洗練されたウェブサイトがどんどん登場しています。
このトレンドの背景には、もちろん技術の進化が大きく関係しています。CSSの発展により、自由度の高いレイアウトが可能になりました。それによって、印刷物の紙面をデザインするように、ウェブもデザインできるようになりました。また、フォントの選択肢も広がったことにより、インクの滲みや墨だまりがあるフォントをあえて使用し書籍風のデザインに仕上げることもできます。
特に、ニュースサイトや企業のブランディングサイトでは、このエディトリアル風のデザインが好まれる傾向があります。大きなタイポグラフィを大胆に配置したり、あえて余白を活かしたデザインは、視覚的なインパクトを与えるだけでなく、情報の伝達効率を高める効果も持ちます。
しかしながらこのスタイルを取り入れる際には注意も必要です。紙媒体とは異なり、ウェブサイトは多様なデバイスで閲覧されるため、レスポンシブデザインを考慮しながらレイアウトを調整する必要があります。
ウェブデザインにエディトリアルの視点を取り入れることは、単なる一時的なトレンドにとどまるものではありません。それが必要だと感じた時には、積極的に取り入れていくべきだと考えています。