COLUMN
2023.12.05
vol.527「印刷と紙はなくならない?」
桜井 寿之(営業部)
先日、東京・王子にある紙の博物館に行く機会がありました。王子は日本の洋紙発祥の地で、令和6年度から1万円札の肖像になる渋沢栄一さんが150年前の明治6年(1873年)に日本初の抄紙会社(製紙会社)を設立しました。博物館の展示物には、日本国内における紙の生産量を示すグラフがありました。
日本の紙・板紙の生産量は、以下の通りです。
・2000年(平成12年)史上最高の約3,183万トン
・その後2008年まで3,000万トンで推移
・2008年のリーマンショック後に大きく減少
・2022年は約2,366万トン
(※紙:新聞や印刷用の紙、板紙:ダンボール等の紙)
このグラフを見たときにふと昔の記憶が蘇りました。私が学生から社会人になる頃、インターネットが普及し、情報がホームページから容易に得られるようになった時代でした。その頃、未来には紙の印刷物がなくなるだろうな、と周囲の知人と話していたことを思い出しました。
たしかに、2000年のピークから(新聞・印刷用の)紙の生産量は減少傾向ではあります。しかし、当時の想像よりもまだ印刷物は残っている気がします。現に博物館を見学してるとき、私の手には博物館のパンフレット等がありました。また、東京ビッグサイト等で開催される企業や産業の展示会でも、たくさんのパンフレットやチラシが配布されています。20年近く経ってネットやスマホが普及しても、印刷物はなくなりませんでした。
ではこれからどうなるのか?
デジタル化で、仕事や日常生活でも紙をなるべく使わないようになっています。しかし、紙のぬくもりはデジタルデバイスの操作では感じませんし、パンフレットがそこにあることでふと目に留まる瞬間に読んでみようという気にさせてくれる力はスマホの画面にはありません。
私は、印刷物は未来永劫なくならないと思っています!