COLUMN
2021.12.07
vol.429「人気ゲームでバーチャル佐渡観光」
丸山 稜(デザイン部)
先日、任天堂から発売されているSwitchのゲーム
「あつまれ どうぶつの森」(以下あつ森)で
バーチャル佐渡観光を体験しました。
ご存知の方も多いと思いますが、
どうぶつの森シリーズとは自然豊かな土地で
どうぶつたちとの暮らしを楽しむスローライフゲームです。
その最新作である今作は、
プレイヤーが生活する島の土地や河川を自由に構成して
世界に1つしかない自分だけの島づくりができるのが特徴で、
自分の作った島をインターネット上で公開し遊びに来てもらったり、
逆に世界中のユーザーが作った島をこちらから訪問することができます。
個人だけでなくユニクロなどの企業やブランド、
団体が自らアピールするための島づくりをして、
ユーザーに訪れてもらうあつ森を使った企業PRも話題となりました。
佐渡市が公開している「さどが島」はそのうちの一つです。
この「さどが島」には、「佐渡金山エリア」、「田んぼアートエリア」、
「佐渡博物館エリア」、「大野亀エリア」、「宿根木エリア」、
「加茂湖エリア」の6つが再現されており、
その中の「たらい船フォトスポット」で写真を撮りながら、
過去に現実で乗った記憶を思い出し、
佐渡島を感じてきました。
(ちゃんと島にはトキをモチーフにしたキャラクターも住んでいました。)
世界各国のあらゆる場所を再現した島も多く存在し、
どれもクオリティが高いのでゲーム内でバーチャル旅行が楽しめます。
ゲームを持っていない方はぜひ「あつ森 世界旅行」で検索してみてください。
また、ネット通信でのマルチプレイ(最大8人)もできるので、
気軽に人と会えない状況下であっても、
ゲームを通じて友達と楽しくコミュニュケーションを取ることができます。
バリエーション豊かな家具やアイテムを使い会場をセッティングして、
誕生日会や結婚式、卒業式までも行うユーザーも見受けられました。
新型コロナウイルスの影響で中止になってしまったイベントが、
あつ森という仮想空間の中で行われているのです。
さらに最新のアップデートでは、自分で捕まえた虫や魚、
収集した化石や美術品などが展示されている博物館を一人称視点で散策し、
まるで本当にそこを訪れたかのような体験ができるようになりました。
外出自粛の世の中で、さまざまなバーチャルサービスが生まれていますが、
あつ森の世界観でこの体験ができることがファンとしてはとても嬉しいです。
時勢とそれに伴うユーザーの心境を見越したアプローチで
定期的にアップデートを行っているあつ森だからこそ、
発売から1年半以上経った今でも多くのユーザーをつなぎ止める
異例の大ヒット作品になったのだと思います。
あつ森をやっていて感じた「革新的な楽しさ」の裏側には
作り手の「深い共感力」がありました。
マイクロソフトのCEOであるサティア・ナデラ氏も最新のインタビューで
「デザイン思考の核心は、他者の立場に立ち彼らの視点で物事を見る基本的な能力、
すなわち共感力であり、イノベーションの最大の源泉は共感である。」
と答えています。
デザインを含めビジネスにおいて共感力は必要不可欠です。
私自身もデザインプロセスにおける共感の段階を大切にし、
日々の仕事に励みたいと思います。