COLUMN
2020.09.29
vol.372「膨張色と収縮色」
伊藤 貴生 (CS課企画)
色にはその明度の高さによって、
実際のものよりも大きく見える膨張色と、
実際のものよりも小さく見える収縮色があります。
赤、橙、黄色のような暖色系の色は膨張色、
青、青緑のような寒色系の色は収縮色となり、
最大の膨張色は白、収縮色は黒です。
皆さんは碁石が白と黒で大きさが異なることをご存知でしょうか。
ちなみに白が21.9mm、黒が22.2mmと、0.3mm黒の方が大きくなっています。
白は黒よりも大きく見える色なので、大きさにこれくらいの差をつけると
人の目には同じ大きさに見えるのです。
オセロは白と黒が表裏になっているので、
大きさに差を付けることができません。
子供の頃、オセロでよく遊びましたが、白の方がなんとなく勝てる気がしていました。
白星(勝ち)、黒星(負け)のイメージもあるかと思いますが、
もしかしたら、白色が膨張して見えていた影響もあるのかもしれませんね。
膨張色と収縮色については、もちろん色のお話なので、
デザインの現場でもとても重要な要素となります。
フランスの国旗は青、白、赤の
いわゆるトリコロールカラーで構成されていますが、
やはり膨張&収縮についても考慮されており、
「青:白:赤=37:30:33」という比率になっています。
もちろん当社で国旗をデザインする機会はありませんが、
様々な企業のフラッグとなるロゴマークやブランド、
パッケージのデザインをさせていただいています。
この膨張色&収縮色については、気にし過ぎる必要ありませんが、
競合を意識して、店頭でのデザインの見え方等を考えるときに
一つの判断材料として考えるべきですね。