COLUMN
2020.07.29
vol.366「ベン・シャーンと日本のイラスト」
森山 良二(デザイン部)
先日新潟市美術館で
『丸沼芸術の森所蔵 ベン・シャーン展』
を見てきました(残念ながら会期は7月29日まで)。
割と有名といえば有名ですが、好きな画家です。
展覧会の告知を見て、好きだったのを
思い出したという感じです。
「ベン・シャーン(1898-1969)」はアメリカの
画家です。初期作品に階級問題、冤罪事件を
題材にした作品があり、「社会派」という
くくりに入るかもしれません。
日本とベン・シャーンの関わりを考えた場合、
1950年代半ばあたりから活躍し始めた、
日本のデザイナーやイラストレーターに
与えた影響は大きいと言えるでしょう。
私の中でベン・シャーンの名前と絵が
一致したのは、学生の頃(30年以上前)、
山藤章二氏(『週刊朝日』などの風刺画・
似顔絵で有名)の作品&エッセイ集の中で、
影響を受けた画家として紹介されていた
のを見たときで、とても「懐かしい」印象
を受けたことを覚えています。
というのも私が子供の頃は
「ベン・シャーン流」とでも言うべき
イラストが流行しており、
それ風のものをかなり目にしていた
からだと思われます。
ベン・シャーンの絵の特長は、何と
言っても独特の「線」だと思うのですが、
筆やペンによるギザギザは、確かに
真似したくなる魅力があります。
ぜひ一度検索して見てみてください。
梅雨明けはもう少し先のようです。
美術館での鑑賞も素敵な雨の日の
過ごし方ではないでしょうか。