COLUMN
2019.09.17
vol.324「Xaasとは」
伊藤 貴生(CS課)
「Xaas」という言葉をご存知でしょうか?
これは「X as a Service」の略で、「ザース」と読みます。
「X」は未知の値を表していて、ここには複数のアルファベットが該当します。
どういうものかと言うと、
情報処理に用いられるコンピューティング資源を、
インターネットを通じたサービスとして提供すること、
またはそうしたサービスの総称です。
「X」の位置には様々なアルファベットが当てられます。
例えば「Desktop as a service」は「Daas」、
「Platform as a service」は「Paas」といった具合です。
ここまでの説明では正直よく分からないと思うので、
具体例を出したいと思います。
個人的に一番分かりやすい例として
Adobe(アドビシステムズ)を挙げます。
Adobeが提供しているXaasは「Saas」、
つまり「Software as a service」です。
Adobeは皆さんご存知のとおり、
フォトショップやイラストレーターなどの
ソフトを取り扱うコンピュータ・ソフトウェア会社です。
Adobeは以前、これらのソフトを販売する際は、
CDやDVDのROMにソフトを入れ、それを箱(パッケージ)に入れて販売していました。
しかし現在「Saas」へと考えを変え、
ソフトはクラウド上にアップし、
利用者はソフトを買い取るのではなく、
その利用権を借りて利用した期間に応じて
料金を支払う方式(サブスクリプション方式)に変えました。
このことにより、ソフトをモノ(ROM)にする経費、
パッケージを作る経費、それを販売する経費などを削減でき、
大きな利益を上げています。
ソフトといえば、ゲームもそうですね。
昔はゲームというとソフト(モノ)を買って遊ぶのが普通でしたが、
現在はスマホアプリを通して、
ゲームというサービスを享受しているのが普通になりました。
5Gの時代がすぐ目の前まで迫っている現在、
これからさらに様々なモノがサービスに変わっていくことが予想されます。
世の中にはすでに「Maas(マース)」という言葉が出てきています。
これは「Mobility as a Service」の略です。
Mobility(移動手段)、つまり自動車をモノからサービスに変える考えです。
今は車と言えば利用者は自分の車をモノとして購入して乗っていますが、
そのうち自動運転が当たり前になると、
個人で車を所有するのではなく、
無人運転の車を皆でシェアする時代になるかもしれません。
車のサービス化です。
そうなると車は売れなくなるので、
トヨタをはじめ各自動車製造販売企業が、
この「Maas」の主導権を得るために動いています。
ここまでごく一部の例を紹介させていただきましたが、
「Xaas」の「X」の部分について、
ほぼすべてのアルファベットを網羅するほど、
多くの「Xaas」が存在しています。
5Gになるとなにがどう変わるのかを理解した上で
世の中にある「モノ」を「サービス」にできないか考えることができれば、
大きなビジネスチャンスになるのではないでしょうか。