COLUMN
2019.11.26
vol.334「快楽と幸福のホルモン」
伊藤 貴生(CS課企画)
世の男性諸君なら、結婚したあとに
誰しもが気づかされることがあります。
それは「女性の買い物する時間は長い」
ということです。
結婚する前にも買い物につきあうと
いう機会はたくさんありますが、結婚
後は「衣食住」に関する買い物も一緒
に行くことになります。加えて化粧品
という未知の買い物にも。
別に男女差別をしようという話では
ありません。先日とあるTV番組で見た
のですが、女性の買い物が長くなるの
には実は理由があるそうなのです。
ずばりこの男女間の違いは脳にあります。
女性は買い物をしているとき、脳内に
あるホルモンが出ているらしいのです。
女性がたくさんの商品に囲まれて、
何を買おうか迷っているときに、
脳内にはドーパミンという「快楽ホルモン」が
放出されます。つまり、女性は買い物で
迷うこと自体に快感を覚えるのです。
さらに、悩みまくって選んだ商品を
買ったあとに脳内は「幸福ホルモン」の
セロトニンで満たされます。
これはいわゆる狩猟採集生活を送っていた
石器時代からの影響があるらしいです。
男性は狩猟に出ていたのに対し、女性は
居住地を守ることが多かったため、物資が
豊富にある状態だと、それが安心につながり、
男性よりも幸福ホルモンが出るではとのこと。
これを知ってから、買い物に行く際、
奥さんの買い物に時間がかかっても、
「今ドーパミンやセロトニンが出ているんだな」
と思うと、前よりも長い買い物が苦に
ならなくなりました。
ドーパミンはともかく、この「幸福ホルモン」
であるセロトニン。自分が出したいときに、
いつでも出せないものか調べてみました。
セロトニンとは元々人間の体の中には存在しません。
このセロトニンを体の中でつくるには、
「トリプトファン」という必須アミノ酸を摂取
しなければなりません。この「トリプトファン」が
多く含まれている食材は、主に大豆製品、乳製品、
そして米などの穀類です。
そしてセロトニンを手っ取り早く多く分泌させるため
に必要なのが、太陽光を浴びること。
脳幹に数万個あるセロトニン神経が、
目の網膜に入った太陽光の刺激をスイッチにして
活性化されるそうです。
まとめると、朝食(ご飯と味噌汁あるいはパンと牛乳)
をちゃんと摂り、太陽光を浴びると、朝から安定した
心の状態で一日を始めることができるということになります。
人が秋になると食欲が増すのは、もちろん秋の
食材が美味しいというのもありますが、夏に比べて
浴びる太陽光の量が減るからその分を食で補おうと
するからなんです。
人はどういうときに幸せだと感じるのか。
言い換えて、どういうときにセロトニンが分泌されるのか。
改めて考えることによって、日頃の自分の心の
安定を図れるのはもちろん、もしかしたら、
マーケティングを考えるときにも、何かしら
のヒントとなるのではないかと最近考えています。