COLUMN
2020.04.21
vol.353「聞き上手は発信上手」
近藤 武弘(デザイン部)
先日、新潟県最大手新聞社の報道部の
記者さんに取材していただく機会がありました。
私含む4人による開催中の美術展(このメルマガ配信時には終了しています)
を取材したいとのことで美術館経由で私にお話がありました。
お話しさせていただいたり、ご質問いただいたり30分程度のものかなと…、
特に深い意味もないのですが、そんな感じで考えていました。
会場の美術館に約束の時間に来ていただき、
展示物を案内しながら全体のコンセプトや
メンバー選定について考えたこと、
各メンバーの紹介、興味を示された作品については
1点1点自作はもちろん他メンバーの作品も
その思いを代弁しつつ取材を受けさせていただきました。
基本、文化・芸術関連ではなく社会的な出来事(事件や災害など)、
いわゆる「報道」に携わっておられる
30歳ちょっと過ぎの新聞記者さんでした。
非常に「聞き上手」な方であり、
また鋭い質問されるなぁと一瞬言葉に
詰まることもありました。
それほど話し上手ではない私の口から、
洪水のごとくあふれ出る様々な言葉と感情。
ポイントと感じたことを紙に
メモをとっていた姿が印象的でした。
自作のことをここまで、丁寧かつ情熱的に
人にお話ししたことは多分ないと思います。
最後に数カット撮影いただき取材は終了
しましたが、気付いたら2時間が経過していました。
そのまま社に戻って原稿作成し、
明日の朝刊に掲載しますとのことでした。
そのスピード感に、報道記者っぽさを感じ
「かっこいー」と思いました。
(以前、文化欄掲載のために原稿執筆させて
いただいた際は結構前に原稿送付していましたので)
翌朝の朝刊を拝見しました。
決して大きな記事ではありませんが、
私の思いは確実に記事に反映していただけておりました。
そして、記事を作り上げるのに
2時間という取材時間を裂いてくださったことに、
感謝と尊敬の念を感じずにはいられませんでした。
取材対象を自分の中に取り込んで記事にするには、
記者さんにとっては必要な時間だったのではないでしょうか。
私たちもお客様の思い・想いを受け止め、
最善のカタチにする仕事をさせていただいております。
お客様のことを100%理解することは不可能ですが、
少しでも自分の中にお客様の「熱」を取り込むことで
意思の共有、進むべき方向性をブレさせないようにしています。
そのためには自己主張も大切ですが、
まずはいかに「聞き上手」になれるかが
とても大切だと実感しました。
今回取材を受けながら、改めて相手を理解する、
共感する、そして発信するには必要なことが
たくさんあることを気付かされました。
とても貴重な経験でした。