COLUMN
2018.01.09
vol.244 「返報性」
伊藤 貴生(CS課企画)
さて今年のコラム一発目は、
伊藤が書かせていただきます。
皆さんは今年の年末年始において
誰かに「お年玉」をあげたでしょうか。
「お年玉」とは元来、子どもにあげる
ものではなく、目上の者が目下の者へ
新年を迎えるにあたり贈っていた金品
のことを指します。
その習慣は中世にまで遡り、武士は太刀
を、町人は扇を、医者は丸薬を贈って
いたそうです。
これが何で今のようなカタチに変わった
のか、仮説を立ててみました。
「返報性」という言葉をご存知でしょうか?
マーケティングを考えるときにも登場する
言葉ですが、簡単に言うと「他者から何か
与えられた人が、その相手に対してお返し
をしたくなる傾向」のことです。
これは特に日本人には言えることかもし
れません。世の中には無料で提供されて
いるものが数多く存在しますが、これら
の中には消費者の「返報性」に期待しての
ものもあります。
「無料でサンプルをもらったから、ひとつ
買ってあげようか」とか考えたことは
ありませんか?
スマホの無料ゲームもこれに当てはまる
のではないでしょうか。ずっと課金なしで
やり続けるのが申し訳なくなって…なんて
ことが誰にでもあると思います。
いい商品が開発できて、世の中に拡散させ
たいときに、消費者の「返報性」に期待して、
まず無料で配るのも、場合によってはあり
だと考えられます。
最初の話に戻りますが、子どもにはこの
「返報性」の効果が望めません。お年玉が
始まった頃からもらう側の人間は、この
「返報性」の感情からもらうのが面倒にな
り、子どもだけが遠慮なくもらうので
その風習だけが残った…。
それが理由だったりして。
そんなことを新年から考えてみました。
それでは今年もよろしくお願いいたします!