COLUMN
2017.05.16
vol.213 「AKB48の衣装戦略」
坂井 明日香(グラフィック課)
最近、『AKB48の衣装図鑑』を購入しました。
メンバーのグラビアは少しだけで、洋服のカタログのように
トルソーに衣装がかかっている写真が多く、まさに図鑑といった書籍。
AKB48の衣装といえば当初、
「制服」×「チェック柄」のイメージが強かったですが、
随分前から制服衣装が少なくなったと思うことがあり、
気になっていたので大変興味深く読むことができました。
AKB48グループには姉妹グループが存在します。
誠晃舎・スタジオ誠晃舎がある新潟にも、NGT48がいます。
国内にはSKE48(名古屋市栄)、NMB48(大阪市難波)、
HKT48(福岡市博多)ほか、海外グループ、
さらには新たなグループのお披露目も決定しています。
AKB48グループの衣装は発足当時から
茅野しのぶさんが担当しています。
「衣装として」の茅野しのぶさんの戦略を
流れに沿って箇条書きにしてみました。
1.はじめはグループを認知してもらうために全員に同じ衣装を着せて統一。
→メンバーの年齢が中高生くらいだったので、制服ベースの衣装にした。
2.予算が限られていたため一から作ることは難しく、既製品をリメイク。
→予算内で工夫をして作っていた。現在では、既製品の布ではなく、
布からデザインするようになっている。
3.テレビ出演の機会が増えてからは、テレビ用の衣装を用意。
→色々な場面で多くの方が目にする機会が増えるので、見ている方に
飽きられないように新たに衣装を作る。
4.全体のカラー・ベースのデザインは統一し、個々に若干違う衣装を着用。
→今では年齢も体型もバラバラで、制服を着る年齢以外のメンバーも
多くなってきたので、個々に似合った衣装で個性を引き立たせている。
衣装は個人を輝かせるための一つの方法です。
なるべく本人の悩みを解消するように、
自信が持てるように最も輝くような衣装を
作りたいとおっしゃっていました。
しかし現在ではそれぞれのグループに
衣装の特色がなくなったと感じているようです。
一目見て、グループの見分けができなくなってきており、
「せっかくグループ分けをしているのに意味がない!!」
ということで、テコ入れを今後する予定だとか。
衣装を考えることは、身に付ける人をより魅力的に見せるひとつの戦略です。
その時だけを考えればいいものではなく、過去からの流れを汲み取り、
未来にどうなっていくかのイメージを想定して進めなければなりません。
これは人だけに言えることではなく、
モノを魅力的に見せる場合も同じです。
商品をよりよく魅せるためのアイデアを
スタイリストとして今後も磨いていきたいです。