COLUMN
2025.02.04
vol.585「界隈について」
伊藤 貴生(CS課企画)
最近「〇〇界隈」という言葉をよく見かけます。昨年2024年「新語・流行語大賞」の候補30語の中にも、「界隈」という言葉がノミネートされていました。近年、日本では「界隈」という言葉が特定のジャンルや趣味を共有する人々のコミュニティを指す言葉として広まりを見せています。
この言葉の背景には、SNSを中心としたデジタルプラットフォームの普及が大きく影響しています。そう、「#(ハッシュタグ)」です。「#」は特定の話題や興味関心を整理して、同じ趣味を持つ人々が自然と集まる場を生み出します。その結果、それぞれの「界隈」が形成され、従来のマスメディアとは異なる形で情報が共有されるようになりました。
さて、世の中にはどんな「〇〇界隈」があるでしょうか。最近話題の「風呂キャンセル界隈」や「自然界隈」、「回転界隈」などが挙げられますが、中でも私が特に興味深いと思うのが「伊能忠敬界隈」です。この言葉は、伊能忠敬が日本全国を測量し正確な地図を作り上げた偉業にちなみ、長距離を歩くことを好む人々や、仕事や趣味で長時間歩く人々を指します。
ここで注目したいのは、「地図を作る、地図が好き」といった要素ではなく、「伊能忠敬=たくさん歩いた人=長時間歩くのが好きな人」という点に焦点が当てられているところです。このシンプルな連想が「伊能忠敬界隈」という言葉をユニークで面白いものにしています。
そこで次の段階として、伊能忠敬以外でこのような「〇〇界隈」の概念を当てはめられる偉人はいないか考えてみたのですが…。
全然いない!!
「〇〇界隈」に当てはまる条件を書き出してみます。
・たった一つの偉業に生涯を賭けている
・達成した偉業以外に、その工程で延々と行われる単純作業が必要
・日本人なら誰でも名前を聞けば、なんとなく何をした人かわかる
・その人以外に当てはまる人が、他に見当たらない
などが挙げられるでしょうか。
これに当てはまる人はなかなかいません。結局「○○界隈」に〇〇にドンピシャで当てはまる偉人は伊能忠敬しか思いつきませんでした。そんなことから、生涯をかけて一つのことに取り組んだ伊能忠敬はやっぱりすごい!と再認識させられました。伊能忠敬以外で「〇〇界隈」に合う偉人がいないか、皆さんも考えてみてください。