COLUMN
2024.07.16
vol.558「ピクセルパーフェクト」
澤田 健太郎(ウェブ課)
「ピクセルパーフェクト」という言葉をご存知でしょうか?これはウェブデザインの現場でよく使われる言葉で、デザイナーが作成したウェブサイトのデザインを1ピクセルもずらさずにコードに落とし込み、ウェブサイトを作成することを指します。
一見、細部までこだわる職人技のように聞こえますが、実はSNSなどでこの考え方を支持すると、素人扱いされることがあります。なぜなら、ウェブ制作に携わる人々の間では、ピクセルパーフェクトを追求するのは現実的ではないという共通認識があるからです。
その理由は、ユーザーがウェブサイトを見る環境が多様だからです。例えば、以下の要因があります:
・使用しているデバイス(Mac、Windows、Android、iPhone)
・画面サイズ
・使用しているブラウザ
これらの要因によって、同じウェブサイトでも見え方が大きくが変わってしまいます。
そのため、重要なのは固定サイズのデザインを厳密に再現することではなく、異なる環境でもデザインの意図が正しく伝わり、一貫性が保たれることなのです。
多少のズレは許容しつつ、サイトの使いやすさや見た目のバランス、開発のしやすさを優先するのが今の主流の考え方です。
ただし、「ピクセルパーフェクト」の考え方を完全に無視してよいわけではありません。デザインの再現性を意識し、可能な限り忠実に再現するという姿勢は大切です。私も、心がけやスタンスとしては、そのようにしたいと思っています。
しかし、実際のところ細かなピクセルの違いにこだわっているのは制作者だけです。ユーザーにとって使いやすく、デザインの意図がしっかりと伝わるウェブサイトを作ることこそが最も重要なのです。