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COLUMN

2023.08.22

vol.512「ビールの美味しい季節です」

伊藤 貴生(CS課企画)

暑い夏が続きますが、皆さんビール飲んでますか?

私はお酒の中でもビールが好きなので、よく家でも飲むのですが、サッポロビールがアルビレックス新潟のパートナー企業であることから、その商品をよく購入します。

しかし最近、別のビールに興味を持ち、ネットで購入してみました。それはキリンビールが1986年から製造している「ハートランドビール」です。透明なグリーンのラベルレスボトルに入ったこのビールは、副原料を使わずに麦芽とアロマホップと水だけで作られています。その味わいはピルスナー特有のキリッとした苦みと爽快なのどごし感が特長で、非常に美味しく感じました。

なぜ私がこのビールに興味を持ち、購入してみようと思ったのか。それはある記事がきっかけでした。ハートランドビールというブランドは、独自のマーケティング手法を行ってきたという記事です。その手法は「アウェアネス」と呼ばれ、従来の「消費者への一方的な情報提供」ではなく、「消費者が自然と商品やサービスに気づくような仕組み」を目指しています。

つまり、全く宣伝をしていないのです。

正直に言うと、私も最近までハートランドビールを知りませんでした。それが発売から30年以上の時を経て、「ようやくこのビールの評判が私のもとにも届いたのか」と思い、購入してみたのでした。この「アウェアネス」の手法にはリスクも伴います。消費者が商品に気づかないまま埋もれてしまう可能性があるからです。しかし、この手法が本当に優れた商品やサービスに焦点を当て、口コミなどを通じて広がりを見せ、知名度を上げる可能性も大いに存在します。大切なのは、卓越した商品やサービスを創造するだけでなく、それを見つけるための環境を整えることです。消費者が自然と商品に出会える場所や機会を提供することで、「アウェアネス」戦略がより効果的に機能します。

結局のところ、「消費者は良い商品を自分自身で見つけることに喜びを感じる」からです。

ハートランドビールは販売開始当初から独自のアプローチを取ってきました。六本木にビアホール(通称「つた館」)を構え、常設のギャラリーを設けて美術展を開催したり、音楽アーティストを招いてライブパフォーマンスをするなどの活動を行っていました。さらに瓶にもこだわり、エンボスの肌触りが感じられるパッケージをデザインすることで、ハートランドビールを単なる味覚の楽しみだけでなく、五感を通じて楽しむことにより、消費者に物語を提供しようとしました。そのプロセスにおける驚きや興奮が、ブランドとの結びつきを深め、忠誠心を育みます。

実際にビール全体の売上は年々下降傾向にあるのですが、ハートランドビールは継続的に伸びているそうです。今回実際に商品を買ってみた経験から明らかなのは、ハートランドビールの「アウェアネス」の手法は成功しているということです。今後この手法を仕事でも使えたらと思います。

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