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COLUMN

2023.06.13

vol.503「2つの時間軸を生きる彫刻 ~私のアイドル・星野健司」

近藤 武弘(グラフィック課)

新潟市内のギャラリーへ、
新潟県を代表する彫刻家・星野健司さんの作品展に
行ってきました。

その方面の方なら誰もが一目置くスターのような存在です。

私の初個展にお越しいただき、
それ以降、星野さんとは結構な数の展覧会を
ご一緒させていただきました。

特に銀座のグループ展で2度もご一緒できたことは
「貴重すぎ!」な経験でした。

アトリエも何度かお邪魔させていただきました。
私にとって星野さんは完全にアイドルです。

彫刻と聞くと木やブロンズなどの素材を想像されると思いますが、
星野さんは一貫して鉄やステンレスなどの工業資材を使用した
彫刻作品に取り組んできました。

溶接や鍛造といった技法で作り上げられる作品は、
まさに「圧巻」です。

私が特に好きな表現は、
ツヤツヤに研磨された部分とサビた箇所が同居する
人体彫刻作品です。

それはドラマチックであり、
本当に欲しい!買いたいです!(買えないですが…)

初めてご一緒した時(10年くらい前かな)、

「星野さんの一つの作品からは違う時間軸、2つの時の流れを感じます。
深い生命の神秘性とか、記憶の継承とか、うまい言葉を見つけられませんが、
とにかくメチャクチャ素敵です!」

なんて、推しのアイドルを前にして緊張する
ファンのごとく感想を述べました。
星野さんからも「そのコメント頂きだな」
なんて言われたことが昨日のことのようです。

冒頭で述べた通り、著名な作家さんですが、
私のような若輩者に対してもとても優しく穏やかな方です。
しかし作品から放たれる異端の強さや
芸術家たる凛とした佇まいは
はっきりと感じることができます。

星野さんの作品はパブリックアートとして、
県内外の様々な場所で展示されています。

実際の作品から発せられる星野芸術の呪術的な魅力からは、
今後もますます目が離せそうにありません。

毎年のように個展を開催されていますので、
可能な限りその展示に足を運んで、
刺激を受けたいと思っております。

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