COLUMN
2023.02.21
vol.487「雪中温泉」
赤塚 壮一(総務部)
向春の候 いかがお過ごしですか。
こんにちは、総務の赤塚です。
以前3m50cmの積雪に囲まれた
「絶対静寂」について触れさせていただきましたが、
今回は雪中での「露天風呂入浴」のお話です。
私は音もなく雪が降り続く中での
露天風呂入浴がこの上なく好きです。
私にとって「至福の時」です。
特に頭に富士笠をかぶり、
10分もすれば笠に雪が積もるような中での入浴が大好きです。
想像してみてください。
顔・頭は零下の気温でとても感覚は
研ぎ澄まされています。
一方首から下は40度のお湯で満たされぬくぬくです。
これぞ『心地良し』。
時刻は夕刻に入るのが特に好きです。
眼前に谷を挟んだ川向いの人家の灯りが2~3つ見え、
風はなく、夜空の色は黒というよりわずかに青色を帯びた墨色。
空からは無数の雪片が止めどなくそして隙間なく舞い降りてきます。
匂いはほのかな硫黄の温泉臭で、
音は湯船に注がれる源泉の湯音が「ちょぽ ちょぽ」とするだけ…。
こんなシチュエーションでの入浴はもうたまらないものがあります。
いつまでも入っていられます。
それでものぼせそうになってくるので、
少し冷気に身体をさらせばまた5分は入っていられます。
この繰り返し。
ずっと続いて欲しいと思って過ごします。
ぼんやりとしつつ、
富士笠の下から夜空を眺めていると
本当に無心になります。
雪国の醍醐味ここに極まれり…。
もうすぐ春。
この冬を締めくくる雪中入浴は
どこの露天風呂に行きましょうか。