COLUMN
2022.08.09
vol.461「【無駄】によるイノベーション」
丸山 稜(デザイン部グラフィック課)
お盆休みが近づいてきましたが連休がある方、
予定はもうお決まりでしょうか。
休みといえば、私は1日中だらだらしていたら終わってしまい、
せっかくの休みを無駄にした…と思うことがよくあります。
このように「無駄」は悪いことのようにと思いがちですが、
少し前に無駄の意義を見直す機会がありました。
それは「無駄づくり」をされている藤原麻里菜さんの作品を
twitterで見かけたことがきっかけです。
藤原さんは誰も考えもしなかった発想で
「無駄なもの」を作るクリエイターで、
最近SNSで発信された『パピコを1人で食べられるアイテム』は
10.5万いいねされています。
これらの作品は「見ているだけで面白い」とSNSを中心に人気で、
6月には「MUDA COLLECTION」という展示も行われました。
また、無駄から生まれた商品はたくさんあります。
例えばテープや付箋でおなじみの会社・3Mのある研究者が
強力な接着剤の研究の最中、弱い接着剤を作り出しました。
当時は使い道がない無駄な成果だと思われていましたが、
これが貼って剥がれるポストイット(付箋)が誕生する
きっかけとなったそうです。
私自身、趣味でも仕事でもすぐには結果につながらない、
お金にならないような一見無駄に思えるようなことの方が
一生懸命になって頭を使ったり、
制作に没頭することができます。
その理由は
「好奇心のままに行動し、ダメ元でもトライしているから」
でした。
効率ばかりを求めると、
好奇心で動くことがなくなり思考も柔軟性を欠いて
挑戦の機会を失ったりしてしまいます。
中身のない会議や、これから一生使わない物を所持するなどの
「悪い無駄」は排除した方がいいと思いますが、
問題解決を叶えるデザイナーとして、
柔軟に物事を考え続けられるように「良い無駄」を
大切にしていきたいと思います。