CONTACT

COLUMN

2022.06.28

vol.455「ホタルを求めて」

赤塚 壮一(経営企画)

こんにちは総務の赤塚です。
本格的梅雨の季節ですね。

15年程前の話をさせてください。
前回コラムで津南町で体験した「絶対静寂」について書きましたが、
同じ津南町で梅雨の時期に実際に私が体験したことです。

津南町に私は3年間居住していました。
地下水を利用した上水道の水は確かにおいしく、
さすが名水100選の「竜ヶ窪」の名水がある地域です。

そんな清らかで、
人が飲んでもおいしい水の地域ですから
ホタルの生息地でもあります。

ある梅雨の夜
蒸し暑いので風呂上りに戸を開けて涼んでいると、
ゆっくり点滅するものが私のアパートに迷いこんで来たではありませんか。

生まれて初めて目の前でホタルが点滅する様子を目にした私は、
一瞬それは火のついた何かで「火事!」がまず頭をよぎったのでした。

やがてそれがすぐにホタルの点滅であると理解することができたのですが、
それ程私にとって点滅するホタルとの遭遇は印象深いものでした。

いったいどこから…。

外に出て50mほど離れた田んぼへ向かうと、
「います、います」あちこちに緑色の点滅が。

翌日に職場でこの話をすると、
「もっと上流にいくとたくさん飛んでるよ。」とのこと。

教えてもらった場所へ車で10分ほどかけて
20時頃に行ってみました。

ヘッドライトの明かりに照らされ、
点滅するホタルがいるのが判ります。

無知だった私は、ウインカーを操作し作動させたまま
道路左に車を止めヘッドライトを消しました。

すると100mは離れているであろう山の麓から
一斉に緑の点滅が飛び立ち私に向かってきます。

その数50以上、まさに雲霞のごとく
怖いくらいに押し寄せてきます。

しまった…。

ウインカーの点滅があまりに強烈で、
仲間と勘違いして集まってきているのです。
僅か4~5回の点滅なのに。

すぐにウインカーを消し、真っ暗にしました。
とても済まない気持ちでいっぱいになりました。

間違いなくその数は、50は下らなかったと記憶しています。

この光景が忘れられなくて
その後何度も足を運びますが
これほどの数には二度と遭遇できていません。

その年の気候・時期等のタイミングが合わないのでしょう。

もう一生体験することができないのかも知れません。
それでも、もしかして…とまた今年も訪れることでしょう。

新潟から高速道路を使い
片道2時間半かけても見たい光景のために。

CONTACT