COLUMN
2016.02.16
vol.147 「オムニチャネル」
伊藤 貴生(CS課企画)
皆さんは「オムニチャネル」という言葉をご存知でしょうか。
一般的に言うと…「実店舗やオンラインストアをはじめとするあらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合すること、および、そうした統合販売チャネルの構築によってどのような販売チャネルからも同じように商品を購入できる環境を実現すること」(weblio辞書:オムニチャネルより引用)となるようです。
お恥ずかしながら、今回色々と調べるまでは、ざっくりと「ネットとリアルの融合」くらいに考えていました。ネットで注文したものを近くのコンビニで受け取るようなことが「オムニチャネル」なんだろうなと。「チャネル」は売る側と買う側の「接点」と訳されます。お店でモノを売るのが「シングルチャネル」で、お店とネットで売るのが「マルチチャネル」。そして買う側がお店とネットを行き来して使い分けるのが「クロスチャネル」などと言われます。
「オムニチャネル」は売る側が実店舗とネット(さらにSNS)の買う側の顧客情報、買い物体験を統合して、統一の商品・サービスを提供し、統一のマーケティングを実施することです。
「オムニチャネル」と言って一番最初に思い浮かぶのはやはり昨年11月に開始された、セブン&アイ・ホールディングスの「omni7」です。セブンイレブンをはじめとして、多数を誇る実店舗をネットと融合させたりして、いつでも、どこでも、どんなものでも買えることを実現させようというものです。
ネットでモノを販売し始めると、お店での売上が減りそうなイメージがありますが、ネットで見た商品をお店で実際に確認したいという「Webルーミング」現象が起こり、「omni7」開始後、お店への来客数が増えるという変化があったとのことです。自分の一番身近なコンビニを物を受け取る定番の店にする人が増えているのも理由の一つかもしれません。
最近新潟県内のニュースで新潟市内の万代、古町の歩行者数が激減していると言うのを目にしました。その激減している理由について「インターネットによる通信販売の普及により、消費構造が変化しているから」と説明されていましたが、それだけではなさそうです。「オムニチャネル」の考え方だと、ネットと実店舗での販売がうまく融合できれば、むしろ実店舗への来客数が増えるらしいですから。
たとえば企業ではなく古町みたいな「街」でオムニチャネルはできないのかと考えて調べてみたら、そういう取り組みをしている街がすでにあるようです。その場合、その街にある百貨店が中心となり周辺の商店街とオムニチャネルを図るとのこと。そう考えると古町には三越、万代には伊勢丹があるじゃないですか…。などと正月からぼんやりと考えていました。
今年も読者の方々に「刺さる」ような情報をこのメルマガでお伝えしていこうと思います。