COLUMN
2015.08.31
vol.129 「昔々、あるところに…」
桜井 寿之(営業部)
最近(という最近でもないのですが)、テレビCMで昔話を利用したものが多いのが気になります。
■ペプシネックス ゼロ 俳優・小栗旬が桃太郎を演じ、映画のようなつくりでCGを使ったり、壮大なスケールのCMが話題になったと思います。CM放送は去年から開始。 http://www.pepsi.co.jp/momotaro/
■au 俳優・松田翔太、桐谷健太、濱田岳がそれぞれ桃太郎、浦島太郎、金太郎を演じ、今風なしゃべり方、考え方を持ったキャラクターとして設定。 http://www.au.kddi.com/pr/3taro/?bid=we-we-tpsd-0037
■住友生命保険相互会社 女優・深津絵里がライフデザイナーとなって、浦島太郎や鶴の恩返しのお鶴さんを相手に「未来診断」を行っている。 https://cam.sumitomolife.co.jp/cmgallery/miraishindan.html https://www.youtube.com/watch?v=0FHRYNaV7pk
■ソフトバンク 岡山の山奥を訪れた白戸家。川でお婆ちゃんが洗濯をしていると大きな桃が流れてきて…。ここまでは桃太郎の話。桃を取ろうとしたら、電話がかかってきて、応対していると桃はそのまま流され、鬼ヶ島に。桃は鬼にパカッと割られ…。ちなみにお婆ちゃんは女優であり、日本昔ばなしの 声優もやられている市原悦子が演じてます。 http://www.softbank.jp/mobile/tvcm_media/cm/ (これはauのCMを意識して制作されたものだとすぐに分かりますね。)
なぜこのような昔話を使ったテレビCMが多く作られるようになったのか?少し考えてみました。昔話は誰もが知っている。これが一番大事なことだと思います。世代を超えてみんなが知っている共通の情報。みんなが知っているから、設定がスーッと読み込めます。ひっかかりなくシチュエーションが頭の中に入ってくる。その昔話の本当のストーリーをベースに、CMクライアントの商品やサービスに合わせて、少しストーリーを「いじる」。いじるけれども、CMの内容は簡単に理解できます。いじり方は、そのCMの基本的なコンセプトに合わせたり、CM制作者のセンスによると思いますが、クスッと笑える内容が多いように感じます。そういうCMは確実に記憶に残ります。CMとしては効果のあるものということになりますね。
CMは記憶に残るのが一番大事。そのためのCMをつくるのに一番適した素材が昔話だということでしょう。かくいう私も以前の仕事(商品パンフレット)で、桃太郎と花咲爺さんを利用したことがあります。さらに日本の昔話だけでなく、赤ずきんちゃん、アリとキリギリス、裸の王様などみんなが良く知っている海外の童話も使わせていただきました。本当のストーリーとは違って、桃太郎と鬼、赤ずきんちゃんとオオカミが仲良く食事をしているなどの設定に変更して、クライアント様の商品をしっかりPRできる内容にアレンジしました。もちろんちょっとだけ?シュールな笑いを盛り込んで。
昔話を利用するということは、上記のように、簡単に見る人にその内容が分かるという効用があります。ぜひ、昔話を利用した制作物をお求めになりたい方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。作る私たちも意外におもしろ楽しく作ることができるので、大歓迎です!