COLUMN
2015.04.06
vol.109 「ブランドを守る」
萱森 友之(業務課)
ニッカ創業者竹鶴政孝氏をモデルにした朝の連続ドラマ小説「マッサン」が3月第4週をもって大団円を迎えました。皆さんは御覧になられましたでしょうか?
私はウイスキー好きと言う事もあり、久しぶりの朝ドラでしたが最終週は涙無しには観れませんでした。何かすれば勝ち組負け組の拝金主義になりがちな時代ですが、損得勘定は二の次に今の日本の礎を作った方々の話と言うのは心の琴線に触れるモノがあります。若い頃は酒の飲み方も知らず量を飲んで騒げれば良かったのですが、歳を取るにつれて美味しい酒をゆっくり飲むという方向にシフトしました。
ウイスキーは何を飲んでも同じ味にしか感じず、ただ恰好つける為に我慢して飲んでいただけだったのが、バーテンダーの方に飲み方を教えてもらってからすっかりウイスキーにはまってしまい、晩酌に欠かせない物となっています。その竹鶴氏の名前を冠した竹鶴17年がWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)において去年今年と2年連続の世界一を獲り、サントリーの山崎シェリーカスク2013が英専門誌において2014年の世界一に選ばれたのは非常に喜ばしい事ではないかと思います。特にニッカウヰスキーの各銘柄はドラマ人気も手伝って品薄が続いており、一過性のブームで終わらなければ良いなと感じてます。
誰もやったことの無いことを推し進めるのは非常に難しく、策も無く現状を維持する事に必死になっている状況で周りの理解というものはほとんど得られません。当然反発も厳しく、その様な状況で結果を出すというのは並大抵の事ではありません。そんな中で、世界に誇れるこれほどのブランドを作り上げたのは、偉業と言うことができるでしょう。
ブランドは確立されたら、今度はそれを守っていかなければなりません。ブランドを守る上で一番大切なのは、「消費者を裏切らない」ことです。ドラマの終盤でも後継者のくだりがありましたが、ブランドの色を褪せさせず、今現在も世界に認められる銘柄を作り続けているのは、やはり飲んでくれる人たちのことをとことん真摯に考えているからではないでしょうか。
世界五大ウイスキーの一つにまで成長を遂げたジャパニーズウイスキー。皆さんもこの機会に飲んでみてはいかがでしょう。