COLUMN
2013.10.04
vol.34「製品デザインの工程について」
先日、弊社のデザイン&マーケティング企画室サイトの
トップ画像が樹脂製のスプーンのデザイン工程のイメージに変わりました(※1)。
皆さんもうご覧になって頂けましたでしょうか?
先端がちょっと変わった形状のこの『スイーツスプーン』。
実は私がデザインから3Dデータの制作まで担当させて頂きました。
今回はこの『スイーツスプーン』の制作工程についてご紹介いたします。
この製品は、お客様から「プリンやヨーグルトのカップから
最後まできれいにすくえるスプーンが作りたい」というご要望を頂き、
そこからデザインがスタートしました。
既存のデザートスプーンでもフチの片脇がバターナイフのように
まっすぐになったものがありますが、こちらはケーキなどを
小さく切り分ける為の機能です。
『スイーツスプーン』は小さなカップからきれいにすくえるよう、
脇ではなく先端に近い部分にまっすぐなフチをつけています。
角度もこだわり、厚紙で簡易な模型を何パターンも角度違いで作りました。
全体の形状は、機能を見て欲しいこと、
様々な年齢層の人に多くのシーンで使って欲しいことから
シンプルで優しい、上品なイメージにすることに決め、
口に入れやすい幅、子供から大人まで無理なく使える柄の長さを
サンプルを検証しながら設定しました。
打合せを繰り返し、何度かデザインスケッチを修正した後、
3Dデータの制作に取り掛かります。
弊社のインダストリアルデザイン課では、Rhinoceros(ライノセラス)という
3Dモデリングソフトを使用しておりますが、2Dのスケッチから
自分の思った通りの形状に3Dデータを制作していくのは
楽しくもあり、難しくもあります。
3Dデータが出来上がると、そのデータからプロトタイプを製作します。
プロトタイプを触りながら形状の最終確認をし、3Dデータの修正、
もしくは納品となります。
この『スイーツスプーン』は金型完成後にも試作品を見せて頂きながら
シボ加工(※2)の細かさの具合や色味のアドバイスなどもさせて頂き、
最後の最後まで関わることの出来た製品の一つとなりました。
(もちろんパッケージデザインも弊社のグラフィックデザイン課です!)
そういったことから、製品デザインに強い弊社のWEBサイトトップを
飾らせて頂いております。
サイズは158mmと小さいですが、こだわりの詰まったデザインです。
皆さん店頭で見かけた際は是非、手に取ってご覧ください!